(3)自分を許す [自分自身]


(最終回)自分を許す

―何か非常に苦しい体験をされていたとしても、その感情が分からずに過ごしてしまう、ということがあるのですね?

 不思議に思うかも知れませんがなんだかつらい、苦しいというのは感じるのですが、それがどういう感情で成り立っているかという個別の感情が分からないんです。

 だから、未だに苦しいと思っているということは、そのときの感情が処理されずに残っていると思っていいと思います。

 強烈な感情と結びついた記憶というのは忘れないものなんです。

 強烈な感情を引き起こした体験を、脳の感情中枢と記憶中枢が協力して、忘れないように他とは少し違う分類をしてとっておくことが脳科学でだんだん判ってきています。

 それは、動物として生きてきた人間は、危険なことを避けなければいけなかったからなんです。

 例えば、水場で水を飲んでいたら、肉食動物に襲われ怖い思いをしたということを覚えておかないと、生き残れないですよね。

 だから恐怖とか不安という感情を生じさせた体験を特別に記憶する機能があるようなのです。

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 こういうこともあります。例えば、今、夫婦関係や親子関係がうまくいかないと思ったら、今の関係を何とかしようと思いますよね?

 でも、実は過去の自分と両親との関係というものが影響を与えていることが多いんですね。過去の自分が感じた怒りが、似たような状況のなかで蘇るんです。

 それが過去の体験からの警告なんです。他にも、今の会社の上司との関係が悪いのは、自分の父親との関係が悪かったのが原因にあったりします。

 他人との人間関係の基本は、自分の親との関係が土台となっています。だから、成人になってからの他人との関係も、自分の親子関係をまるでなぞるような関係になることが多いようです。

 ですから、子供時代の親との関係で生じたトラウマが除去されると、現在の人間関係が改善されることが多く見られます。

 さきほど、水のみ場の話をしましたが、不安や恐怖を感じた体験を避けようとする本能が、人付き合いにも及ぶということなんです。

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―過去には、戻ることはできませんが、その時の感情というのは、今からでも何とかすることができるのですか?

 よく過去に起きてしまったことはどうすることもできないといいます。当然、過去の記憶を消すことなんてできませんよね。でも記憶と結びついている感情は取り除いたり、リセットしたり、変換したりすることができるんです。

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 すると、トラウマを生む原因となった体験の記憶が普通の記憶となる。つまり不安や恐怖から逃れ、新しい人生を送れるようになるんです。

 それは、自分が感じた感情が悪いのではなく、自然に起こったことなんだと自分を受け入れるということなんです。


―そういう風に思えると、やっぱり人生は変わっていけるものですか?

 それが、自分を許すことという言葉の意味になると思います。はじめに認めてあげて、それを受け入れるということですね。

 そういう言葉を使って、過去を清算して未来につなげていく、新しい人生をスタートするということを行っていきます。

 人って、言葉一つでも救われますよね?よく夜空の星を眺めていると、何でこんなちっぽけなことで悩んでいるのって思うことがあると思いますし、そういう文章(言葉)を読んだり、復唱したりするだけでも救われる気分になりませんか?

 このセラピーはそのような言葉の力をさらに強力に心に働きかけるんです。


―最後にメッセージをお願いします。

 自分を責めて、過去と決別しないでいると、再スタートできません。

 自分を許し、過去と決別して、新しい人生をスタートさせましょう。

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次回をお楽しみに!(インタビュー:こころセラピー ハートランド(福岡県)大岡 道世カウンセラー

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※本文は、大岡セラピストへのインタビュー内容です。(2009年7月現在)
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