(2)自分を許す [自分自身]


(第2回)自分を許す

―感情を探るとはどういうことですか。それは、忘れてしまうとか、無くしてしまうとかなんですか?

 心の病気を抱えている人はもともと自分の感情を自覚できない人が多いのです。

 というのは、小さい頃から怒りなどの感情を抑え込んで(抑圧して)、その感情が無かったものとして隠してしまう習慣があるからです。

 それは、家族からの暴力や暴言、こきおろしなどから自分を守るために身に付けたものですが、それにより、自分がどう思っているのか何を考えているのか、何をしたいのかが分からなくなってしまうんです。

 自分の感情を自覚できずに無視してしまうので、怒りの感情は、処理をされずに残ってしまいます。

 そして、どんどん溜まっていき、自分でも気付かないうちに、病気になってしまうことがあるんですね。心に出なければ体に症状として現れるんです。

 とくに怒りや罪悪感は人の心を破壊するといわれているんです。

 だからまず、怒りを覚えたという感情に気づいてあげることが必要なんです。

 そして、自分の感情を無視し続けてきた自分を許すということが必要になってきます。

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―どうして抑圧されるようになってくるのでしょうか?

 家庭などの環境によって、小さい頃から、親が恐くて自分を表現できなかったり、感情を表に出すことは悪いことだと教えられている人が多いように思います。

 また、子供の存在を無視したり、子供の考えを尊重しない家庭で育った人も自分の気持ちを隠してしまうようになります。

 そして、自分の感情が分からないままいわゆる『いい子』を演じて育ちます

 ですから『いい子』も実は、問題を起こす子供と同じように心に傷を抱えているんです。

 私の所に来る相談者も子供時代は『いい子』『目立たない子』だったという人がとても多いんですよ。

 また、子供らしく無邪気に振舞えなかった人、子供の頃に甘えられなかった人も寂しさを我慢するうちに寂しい感情が分からなくなり、取り残されてしまうんです。


―セラピーを通して、そういった感情や抑圧していることに気づいていけるということでしょうか?

 そういう人は、いわば心を見渡すレンズが曇っている状態だといえます。最初は、手探りの状態ですが、やがて自分の感情に気づくことができるようになってきます。

 自分の気持ちを取り戻すために、セラピーの中では、過去にあったことをお話しいただいて、こういう感情(怒り、恥ずかしさなど)をもったのではないかと推測し、相談者の方と一緒に、整理していきます。

 感情を持つことは悪いことではないんだ、ということをセラピーで心の奥に届けると、やがて自分の感情に気づいていけるようになります。

 抑圧という重石が除去できるようになると、だんだんと心の中に光が差してきて、真っ暗闇だった心の中が、薄ぼんやりしてきて、どんどん明瞭になってきます。

 そうして、自分の感情を取り戻し、それを肯定することができるようになります。


―何か非常に苦しい体験をされていたとしても、その感情が分からずに過ごしてしまう、ということがあるのですね?
明日に続く。(インタビュー:こころセラピー ハートランド(福岡県)大岡 道世カウンセラー

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※本文は、大岡セラピストへのインタビュー内容です。(2009年7月現在)

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