(1)うつ病の時のこころの状態 [心の病]
(第1回)うつ病の時のこころの状態
◇◇◇◇◇
今の日本では、うつ病になる人が増え続けているといわれています。
インターネットでも「うつ(鬱)」と検索するだけで、たくさんの情報が出てきます。しかし、どれが正しいことなのか分かりません。また、専門用語が多くて難しいです。
うつになり、病院に通いはじめ、期間が長くなってくると色々な不安や不満が生まれてくるようです。そして、いくつかの病院に通われた後、カウンセリングルームに来られる方も少なくないようです。
久留米フォーカシング・カウンセリングルームには、お医者さんに対しての不満、関係性についての相談も多いようです。うつになったときのカウンセリングルームの役割について阿世賀 浩一郎カウンセラーにお話をお聞きしました。
◇◇◇◇◇
―うつとはどのようなものなのですか?
誰でも、何かショックなことがあったり、大きなストレスが加わったり、家族との別れといった喪失体験があると、「やる気を失う」「落ち込む」「悲観的になる」という状態がある程度の期間起こると思います。
そういった状態というのは、「状況によって引き起こされたうつ」であると思います。
例えば、以前よりも責任を任せられる仕事に就いて、そのことによってストレスが高まってしまうことがうつになる引き金としてよく言われています。
しかし、うつの方のお話をお聞きすると、そのような状況だけでうつになるわけではないようです。
私がいつも思っているのは、うつになるのは必ずしもハッキリとした原因や教科書的に言われているような場合だけではないと思っています。
一つ言えるのが、「気がつかないうちに、無理を抱え込んでいるということ」から生じているのだと思います。学校でも会社でも、何か無理をしながら、現状を何とか長い期間保っていることは確かです。
その中で、「苦しい」とか、「孤立している」とか、「疎外されている」といったような体験をされているのですが、そうやって頑張っているうちに、無理をしていると感じなくなってしまっているのだと思います。
言わば、その「無理に対して不感症」になっていると思います。ご本人は、何とかやれているつもりになって、長い期間ずっとやっています。
そのうちに、何か引き金になるようなキッカケが重なると、急に体調がおかしくなったりします。
人によっては、うつではなくて、うつの始まりの一つとして言われる不眠になるとか、大勢の人がいる場で何か気分が悪くなるというパニック発作という、そういう始まりをする場合もあると思います。
だから私がいつも思っているのは、無理を無理と感じなくなる。本来なら、無理を無理と感じる、自然と機能していたセンサーのようなものの調子が狂ってしまう、そのことがうつであると思います。
その結果として、お医者さんに「うつ」と診断されて、「休みなさい」と言われて、実際に休んでみると、抱え込んでいた無理が原因で、動けなくなるという状態になります。ですが、そういう風に動けなくなる理由が分からないため、その状態に直面すると驚いてしまう人が多いように感じております。
うつの人は、「心身を休めなくてはならない」「休息しなさい」と言われたら困ります、焦ります。そんな特徴があります。
人間社会というのは、「コツコツと働いてなくてはいけない」という文化ですから、楽をする、休むとなると、焦りが出てきます。
私はいつも、うつ自体は、無理を重ねた心身に生じる、「休息」という「自然の反応」に過ぎないと思っています。そういう状況になったら、自然の流れに逆らわないで、落ちついて休んでいれば、自然とうつというものは治っていくものだと思っています。
お医者さんからのお薬というのは、そうやって「じっくりと休む」ということのためのサポート手段として位置づけられるのが適切かと思います。
ところが、私達は、コツコツ働く人間社会の中で生きているので、うつになって、「休む」ということに加えて、うつになってしまったということそのものに、いろいろと深く悩んでしまいがちです。
これを私はうつの2次症状だと思っています。クライアントさんは、「うつになったこと」について不安になったり焦ったり、そちらの方がむしろ心労のウエイトが大きいのではないかと私が感じられることも少なくないですね。
―カウンセリングルームには、どのような方が多く来られますか?
明日に続く。(インタビュー:久留米フォーカシング・カウンセリングルーム(福岡県)阿世賀 浩一郎カウンセラー)
※本文は、阿世賀カウンセラーへのインタビュー内容です。(2009年6月)
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今の日本では、うつ病になる人が増え続けているといわれています。
インターネットでも「うつ(鬱)」と検索するだけで、たくさんの情報が出てきます。しかし、どれが正しいことなのか分かりません。また、専門用語が多くて難しいです。
うつになり、病院に通いはじめ、期間が長くなってくると色々な不安や不満が生まれてくるようです。そして、いくつかの病院に通われた後、カウンセリングルームに来られる方も少なくないようです。
久留米フォーカシング・カウンセリングルームには、お医者さんに対しての不満、関係性についての相談も多いようです。うつになったときのカウンセリングルームの役割について阿世賀 浩一郎カウンセラーにお話をお聞きしました。
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―うつとはどのようなものなのですか?
誰でも、何かショックなことがあったり、大きなストレスが加わったり、家族との別れといった喪失体験があると、「やる気を失う」「落ち込む」「悲観的になる」という状態がある程度の期間起こると思います。
そういった状態というのは、「状況によって引き起こされたうつ」であると思います。
例えば、以前よりも責任を任せられる仕事に就いて、そのことによってストレスが高まってしまうことがうつになる引き金としてよく言われています。
しかし、うつの方のお話をお聞きすると、そのような状況だけでうつになるわけではないようです。
私がいつも思っているのは、うつになるのは必ずしもハッキリとした原因や教科書的に言われているような場合だけではないと思っています。
一つ言えるのが、「気がつかないうちに、無理を抱え込んでいるということ」から生じているのだと思います。学校でも会社でも、何か無理をしながら、現状を何とか長い期間保っていることは確かです。
その中で、「苦しい」とか、「孤立している」とか、「疎外されている」といったような体験をされているのですが、そうやって頑張っているうちに、無理をしていると感じなくなってしまっているのだと思います。
言わば、その「無理に対して不感症」になっていると思います。ご本人は、何とかやれているつもりになって、長い期間ずっとやっています。
そのうちに、何か引き金になるようなキッカケが重なると、急に体調がおかしくなったりします。
人によっては、うつではなくて、うつの始まりの一つとして言われる不眠になるとか、大勢の人がいる場で何か気分が悪くなるというパニック発作という、そういう始まりをする場合もあると思います。
だから私がいつも思っているのは、無理を無理と感じなくなる。本来なら、無理を無理と感じる、自然と機能していたセンサーのようなものの調子が狂ってしまう、そのことがうつであると思います。
その結果として、お医者さんに「うつ」と診断されて、「休みなさい」と言われて、実際に休んでみると、抱え込んでいた無理が原因で、動けなくなるという状態になります。ですが、そういう風に動けなくなる理由が分からないため、その状態に直面すると驚いてしまう人が多いように感じております。
うつの人は、「心身を休めなくてはならない」「休息しなさい」と言われたら困ります、焦ります。そんな特徴があります。
人間社会というのは、「コツコツと働いてなくてはいけない」という文化ですから、楽をする、休むとなると、焦りが出てきます。
私はいつも、うつ自体は、無理を重ねた心身に生じる、「休息」という「自然の反応」に過ぎないと思っています。そういう状況になったら、自然の流れに逆らわないで、落ちついて休んでいれば、自然とうつというものは治っていくものだと思っています。
お医者さんからのお薬というのは、そうやって「じっくりと休む」ということのためのサポート手段として位置づけられるのが適切かと思います。
ところが、私達は、コツコツ働く人間社会の中で生きているので、うつになって、「休む」ということに加えて、うつになってしまったということそのものに、いろいろと深く悩んでしまいがちです。
これを私はうつの2次症状だと思っています。クライアントさんは、「うつになったこと」について不安になったり焦ったり、そちらの方がむしろ心労のウエイトが大きいのではないかと私が感じられることも少なくないですね。
―カウンセリングルームには、どのような方が多く来られますか?
明日に続く。(インタビュー:久留米フォーカシング・カウンセリングルーム(福岡県)阿世賀 浩一郎カウンセラー)
※本文は、阿世賀カウンセラーへのインタビュー内容です。(2009年6月)
はじめまして。
新潟県のカテゴリからきました、きょっこと申します。
私は、うつ病&パーソナリティ障害で、休職と復職を繰り返して3年たちました。
今は、2月から休職中で、まだまだ仕事に行けそうもありません。
このブログと出逢うことができて、ほんとによかったと
思います。
読んでいて、自分の気持ちをわかってもらえているような
気がして、涙がでてきました。
ありがとうございました。
by りょう (2009-08-07 09:31)