(2)ユトリをもつことの大切さ [自分自身]


(第2回)ユトリをもつことの大切さ

―例えば、ユトリとは、どういう状態のことをいうのでしょうか?

 心理学の理論で説明すると難しいと思い、わかりやすくスポーツで例えることがあります。

 例えば、野球の投手。肩に力が入れば、キレ、球威がなくなるし、スピードも落ちます。

 投球は、全部下半身で投げているんですね。そして、頭を含めて上半身にユトリを持たせてあげていると、キレ、球威があり、いい球が投げられるようになります。

 フェンシングにしましてもしかり。剣を持つ時には、小鳥を握るように握るという風に教わりました。握りすぎてしまうと小鳥は死んでしまいますし、弱ければ逃げてしまいます。適度な握りが必要です。肩の力を抜いて小鳥を握るように。

 握るということで言えば、乗馬も同じなんです。手綱を握る時も、肩の力を抜き、小鳥を握るように握ります。

 握りすぎてしまうと馬は逆らうし、弱ければ、手綱を馬に取られてしまいます。乗馬も上半身を柔軟に柔らかく、下半身で乗るものと言われています。
馬に乗ってみることで良く分かると思いますが、すべてがユトリということなんですね。

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―では、どの位の力で、目標を設定した方がいいのでしょうか?

 事象解析学で、人間の達成度というのは、あくまでも平均値ですが、66.3%と説明されています。

 だから最高でも目標は80%に設定して、20%は自分のために、とっておいてくださいとお話しています。

 ですが、「平均値でいいんだ。手抜きしよう」と考えたら、必ず大きく平均値よりも低くなります。怠け心は、退化につながりますでしょう。

 ウツ的な状況になられている方の多くは、与えられたものは必ず成し遂げなければいけないと、達成度を120%位に設定されているんではないかと思います

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―80%だと、結果的にはどうなるのですか?

 結果的には、達成度が高くなるんです。なぜかと言えば、20%のユトリがあるからです。
 意外に思うかもしれませんが、思わぬ成果をあげることができたという声を聞きます。


―今まで120%、150%の目標をもっていて、周りからの期待にも応えようとしていた人にとって、目標を80%にするにはどう考えたらいいでしょうか?

 社会の根幹にあるのは個々人です。自己の心身が健康で無ければ、他者を支えることもできない「合理的な自己中心主義」です。利己主義の対極にある論理ですね。まずこの論理を認識していただきたいと考えます。 

 先ほどの乗馬の例えで言えば、馬を力で御そうとすれば、必ず馬は逆らいます。

 負けじと手綱を力ずくで引くのではなく、瞬間的に、緩めるという対応ができなければ、乗りこなす事は出来ません。乗馬は難しいんです。

 肩に力が入りすぎていたと思ったら、深呼吸してみて、肩の力を抜いてみると自分の状況が少しは見えてくるかもしれません。

 そして「鞍上人無く、鞍下馬無し」人馬一体という結果が得られます。


―80%に設定すると、仕事の辛さも少なくなり、楽しく感じられるようになったりしますか?

 はい、「柳に風(雪)折れなし」ということわざがあります様に、大きな大木であってもモロに強風を受ければ、ボキリと折れてしまいます。柳のようにしなやかに、柔軟に成れれば折れる事はないわけです。

 それが20%のユトリでしょうね。高層ビルの上階にいけば行くほど微妙な揺れがあります。あの揺れがなければ、地震に耐えられないのと同じことでしょう。


 明日に続く。(インタビュー:カウンセリングルームA/T 谷村 剛臣カウンセラー


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