(2)心の問題に取り組むひとつのツールとして [カウンセリング]
(第2回)心の問題に取り組むひとつのツールとして
―カウンセリングはどの位の期間(費用)がかかるのでしょうか?
「ご本人次第で長くもなりますし、短くもなります」と、一番始めにご説明しています。そして、「どの位の期間お受けになるつもりがあるか」ということをお尋ねする場合もあります。
こちらからは、「5回から10回位は、続けてほしい」ということをお伝えします。
なぜかというと、内容にもよるのですが、1回、2回の面接で、問題が解決しないという場合も多いのです。ただ、最低でも5回程度受けられると、カウンセリングの効果をある程度実感なさることが多いです。
カウンセリングは、ことによるといつまでも続く様なエンドレスの状態に陥ってしまうことがあります。
そうならないために、予め最初の数回の中で、「ここ位を最終地点にして、ここ位に来たらカウンセリングを終わりにしましょう」と最終地点のお約束をすることが多いです。一つの問題が終わっても次のもの、となってしまいがちなのが現実ですが、その場合は、新たに目標の設定をして最終地点を決め直します。
期間は、その方の現状によっても様々です。期間を決めてお話をする中で、短期では対応できないと分かってくる場合があります。
その時には、「長くかかります」ということをお伝えします。
よく「長くかかるってどの位ですか?」と言われるのですが、私の経験上、30回から多い場合で100回を超えるような場合があるので、目安として、「30回から100回位まで」とお話しさせていただきます。但し、回数はあくまで目安です。
料金のこともありますので、「とてもではないですけれど、そんなには無理です・・・」という場合には、「このことだけ」というポイントを相談して絞っていく場合もあります。
私のカウンセリングで起きることなのですが、目に見えるような変化が起きる場合もありますが、ご本人の中で変化(そういうのを変容といいますが)が起きているのに周りからは、ご本人が変わっていないように見える場合もあります。
また、ご本人が変わったという確かな感じを持たれる一方で、その変化が現状に跳ね返らないことも起きます。
変化には様々なものがあることを承知していただきたいのです。
―カウンセリングの期間というのはどの位開けるのですか?
来られる方の状態によります。週1回という場合も、月1回という場合もあります。ただし、月1回以上あけると、カウンセリングの効果は薄れます。
それで「最低でも月1回」とお話します。状態が特に悪い場合には、週2回等来ていただく場合もありますが、それは本当にごく限られた期間のことです。
―何回も受けてみてダメだと思うことがあるのは、どうしてなのでしょうか?
自分の期待と違っていたという失望感がある場合でしょうか。
それには、期待が大きすぎてがっかりする場合と、自分の思うようにいかなかったという失望感とがあると思います。
カウンセラーとの相性や使われる療法の不一致も考えられます。
今の一般のカウンセリングでは、カウンセリング・スタイルは、カウンセラーの生き様・考え方を背景に持つと言われています。
力量の有無というよりも、カウンセラーとの相性やカウンセリング・スタイルとの相性が影響しているのではないかと思います。
私はいくつかのセラピーのスタイルを持っていますが、この方には、他のスタイルやカウンセラーの方が合うと思う場合には、他のカウンセラーをご紹介することがあります。
相性は療法に限ったことではなく、年齢・性別・その方の状態にもよります。但し、それは、受けられる方にはわからない場合もありますので、そうなると、「受けては見たけれどやっぱりこんなものか」となるのかもしれません。
そんな時には、是非、カウンセリングや心理学をより広い視野で見ていただきたいと思います。
民間のカウンセリングの料金は、決して安価なものではありません。だからこそ、その料金に見合うだけのものを、カウンセリングを通して、見出していけることが必要だと思っています。
明日に続く(インタビュー:カウンセリングルーム樹輪 岩段 久美子カウンセラー)
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